《めてみみ》冬のセール

2018/01/23 04:00 更新


開店前に8000人の行列ができた(4日、伊勢丹新宿本店)

 18年冬のクリアランスセールは三越伊勢丹が17年冬に比べて約1週間前倒して1月4日から始めた。セールの開始時期を12年夏から遅らせてきたが、「春物をもっと早く、しっかり見たいと要望するお客様が多い」という理由で見直した。18年夏については地方店を中心に「検証中で未定」という。

 同社がセール時期を遅らせたのは、本来の実需期に正価販売の期間を確保し、適時、適品、適価の品揃えで販売機会のロスをなくす狙いだった。当初は準備不足もあって混乱があったが、「セール適正化」の動きに取引先の多くで共感が広がった。

 しかし、課題も浮き彫りになった。とくに冬のセールだ。2月から本格化する春のモチベーション需要の紹介期を十分に確保するのが難しいことだ。冬物の整理期が後ろ倒しになることで、春物の紹介期が短くなってしまった。

 しかし、夏と冬は事情が違う。夏は気温が高い「暑い夏」が長期化する傾向にある。セールの早期化は作り手、売り手が疲弊し、顧客満足につながらなかった。夏は実際の季節感とMDのズレを修正するためにさらに遅らせたほうが良い。

 セール時期の分散化で集客力が低下した、という指摘もあるが、百貨店だけに限らず、日本の小売り全体に関わる問題だ。フランスのような法規制や一部店舗でセールをやらないのも考え方の一つだ。顧客のためになる方向で検討して欲しい。



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