横浜市のSC、トレッサ横浜は客の回遊と買い回りを増やすため、テナント同士の協業を促して成果を上げている。中でも、地元の公民館「横浜市師岡コミュニティハウス」と「ユニクロ」の取り組みがユニークだ。
コミュニティハウスのワークショップで、ユニクロが客に似合うカラー診断とコーディネート提案を定期的に行う。さらに、コミュニティハウスに来る地域住民をモデルに起用したユニクロのポスターを施設内に掲示している。いずれも好評で、互いの送客にもつながっている。
最近は近接区画や同業種のテナント同士による協業は珍しくなくなった。しかし、コミュニティハウスとユニクロは違う棟にあり、しかも、公民館とファッション店という全く異なる業種だ。この〝異質〟の組み合わせを成功させたのは両テナントの担当者の「お客に喜んでもらいたい」という思いが一致し、ディベロッパーが実行を後押ししたからだ。
同SCでは協業企画のアイデアをテナントから募り、実現した企画に販促支援金を出すコンテストを実施。加えて、開業時からテナント同士の「横の連携」を重視し、日頃から交流できる環境を作り上げてきたことが、多くの協業企画として結実した。施設活性化にはディベロッパーとテナント、テナント同士のコミュニケーションがやはり欠かせない。