ルミネは夏の全館セールの開始日を昨年の7月14日から7月28日にする。大型商業施設では最も遅いスタートとなる。
同社は実需最盛期でのプロパー販売を強化するため、12年夏からセール開始日を従来よりも遅くした。取引先店舗にはセール前に販売するプロパー品の充実とセール期間中の在庫確保を働きかけ、一定の成果を上げてきた。夏は「例年、セール前のプロパー売り上げも伸びている」（新井良亮社長）という。
イオンモール、ららぽーとなど郊外の大型SCの大半は今月23日からセールを開始。ルミネの開始日まで1カ月以上離れる。消費者にとってはセール期間が例年以上に長く感じるだろう。「ルミネの方針には賛同するが、商業施設のセール時期の分散、長期化はMDが組みづらい」と嘆くテナントもある。
新井社長は時期をさらに遅くしたことについて、「（取引先が）大変と思うかどうかは企業の姿勢次第。お客のニーズを満たす独自性のある商品を提案し続ける姿勢で勝負してほしい」と強調する。
ECを含め、セール期以外での値引き販売が広がり、消費者にとってセールの新鮮味が薄れている。ルミネはセール期間中も「新鮮なプロパー品をさらに強化する」という。値引き以外の価値をいかに提供し、需要を喚起できるか。業界にとって、今夏商戦はその試金石だ。
