ロックTシャツが売れている。メジャーなグループだけでなく、今春夏は「デフレパード」「メタリカ」など90年代に流行したが、一般の人がそんなに覚えているとは思えないバンドのものを着ている人もよく見かける。
この手のTシャツと言えばかつてはファッションとして「イケてる」より、そうした音楽が好きで、バンドやアーティストへの「愛」から着ているタイプの人が多かったように思う。
無論、「ローリングストーンズ」とか「ニルヴァーナ」など、メジャーで知名度の高いバンド物は、ビンテージ市場で結構前から人気はあったが、それでもどちらかと言えば、おしゃれとしてより、マニアの収集対象の趣の方が強かった。
たぶんヘビーメタルとかハードロックが最近では大人が楽しむ音楽になって、異端でもなくなり、若い客層の目にはそのアイコンが新鮮に映る、おしゃれアイテムに変化していったということだろう。
一部のマニア向けでマイナーだったカルチャーが時間の経過とともにファッションのトレンドの中に溶け込んでいく現象は今後も増えそうだ。先日、あるセレクトショップの展示会で見た日本企画、東欧生産の別注スニーカーをバイヤーは「エヴァンゲリオンみたいでヤバいでしょ」と紹介してくれた。ロックの次はアニメ。あながちあり得ない話ではない。