《めてみみ》元気になる看板

2017/06/08 04:00 更新


 「新顔ね、歳いくつ?そっかぁ、じゃ、あたしのこと、パルコ先輩って呼んでいいからね」。熊本パルコの広告看板のメッセージだ。学生風の男女のイラストとともに、掲示直後から「パルコの広告が面白い」「街が元気になる」とSNS(交流サイト)で拡散され、地元のマスメディアも明るい話題として取り上げた。

 看板は新商業施設、ココサが4月に開業したことに併せて製作した。ココサはパルコと至近にあり、高感度なファッション・雑貨店が揃う。パルコにとっては競合相手だ。

 しかし、「街全体が活性化することが重要」(野口香苗店長)とし、「お客が面白がるパルコらしい仕掛け」を決めた。「COCOSAさん、熊本をいっしょにもりあげよ」の言葉も添えている。

 地方都市の市街地の多くが郊外や駅前との激しい競争にさらされている。熊本市は中心市街地に商業が集積し、他の地方都市に比べて商店街にも活気はある。とはいえ、郊外の大型SCとは競合し、19年には徒歩15分圏に大型複合施設、21年にはJR熊本駅に新商業施設が開業予定。街にはライバルが増える。

 「今後の他エリアとの競合を見据えた対策を打たなければ」と野口店長。看板の効果もあってか、パルコのココサ側の入り口からの入館客数は大幅に増え、「両施設での買い回りも進んでいる」という。



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