4月20日、銀座6丁目に開業したギンザ・シックスが想定を上回る滑り出しとなった。来館者数は大型連休の最終日だった7日までで152万人に達し、年間目標の2000万人を超える勢い。その後も「幅広い層が訪れている」と連日のにぎわいだ。
商業施設の新規開業や大型改装の不発が相次ぐ中、その存在感が際立つ。好調の理由は第一に、開業前後に様々なメディアに取り上げられて話題性が高かったこと。近隣だけでなく、全国からの集客に結びつけた。
第二に241テナントのほとんどが旗艦店として出店し、各テナントが独自に集客に力を入れたこと。自社の優良顧客を呼び込む戦略店舗に位置づける。フルラインの品揃えに加え、限定品や新作で「想定を上回る売り上げ」(大手アパレルメーカー)という。
インバウンド(訪日外国人)を取り込むサービスの仕掛けも見逃せない。観光バスが3台駐車できる乗降所、土産物を扱うコンビニのほか、両替、配送、免税手続きの窓口など機能が充実する。
もっとも、目玉だったラグジュアリーブランドの売り上げは今一つ。ホテルや海外商業施設でなじみのバレーパーキングの利用頻度は高くない。富裕層に向けての「ここにしかない商品や体験」はまだ浸透していない。開業1カ月。オープン効果が一巡するこれからが正念場だ。