マッシュHD、中国事業拡大へ再強化

2016/11/01 06:21 更新



 マッシュホールディングスは今期(17年8月期)、レディスブランド「スナイデル」の海外販売の再拡大に力を入れる。「ミラオーウェン」や「フレイアイディー」は商品に磨きをかけ、全社で売上高700億円前後の規模を目指す。

 今期の課題の一つが海外販売だ。前期のスナイデルの海外での伸び率が9・2%増と、国内(9・6%増)と同水準だったことに危機感を感じており、「1ケタ成長になるにはまだ早い」と近藤広幸社長。従来は、海外バイヤーは国内の展示会に来てもらっていたが、中国のバイヤーや協力パートナーを対象に、11月末に上海でも展示会を開く。現地で本格的な展示会を開くのは初めてだが、彼らとの連携を深めることで再び2ケタ成長に乗せる。

 海外では出店にも積極的だ。スナイデルは、中国大陸ですでに50の出店が決まっており、その9割をFCで出し「スナイデルの本格的なFC戦略が始まる」。台湾、香港は引き続き直営の方針。一方、国内のスナイデルは現時点では新店の予定はなく、改装に力を入れる。

改装オープン初日に、4089万円の売り上げをたたき出したマッシュスタイルラボ(ルミネ新宿店)

 16年8月期の全社売上高は、前年比21%増の581億円の見通し。高い成長を続ける一方、直近の国内市場の動向はシビアに見ている。スナイデルは8、9月の売り上げが厳しく、インバウンド(訪日外国人)需要も明らかに減退してきた。「『グッチ』の服を見てはっとさせられた。失敗してもいい。保守的にならずに、もっと驚き、わくわく、変化、チャレンジが必要」と近藤社長は強調する。

 ミラオーウェンは商品の質と価格のバランスに対する業界の注目も高く、レディス市場で今、波に乗っているブランドの一つ。しかし、「確かに商品は良くなっているが、既存店の数字はもっと伸ばしたい」。〝ロープライスラグジュアリー〟として、価格は維持しつつ、さらに商品、接客などのサービスレベルを上げる。

 フレイアイディーはこの間、キャリア向けのブランドとして素材、縫製など商品への信頼という原点の土台固めに注力してきた。その中でモードや大人の抜け感を表現しつつ、今冬から来年にかけて、再びわくわく感を表現していきたいという。ビューティー事業は新ブランド開発も進めている。

 これらの施策により、今期は国内で20%程度の増収を目指すとともに、海外で利益を稼ぐことで研究開発、広告宣伝、人件費などにも投資する方針だ。



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