デザイナーの丸山敬太が、北海道の宮坂建設工業(帯広市)の建設作業服と、女性のオフィス用の制服をデザインした。丸山が建設会社と協業し、ワークウェアを手掛けたのは初めて。
男性用作業服は、紺地に企業カラーの緑と黄色を配し、視認性を高めたブルゾンとシャツ、ベージュのワークパンツで構成。耐久性や撥水(はっすい)・防水性に加え、着心地を考えて綿・ポリエステル混の通気性の高い素材を使用。品の良い信頼感を得られるワークウェアを目指し、街に溶け込むデザインにした。オーバーサイズの作業服が一般的ななか、S~5Lと細かくサイズ設定しフィット感を重視した。
女性用は、襟に企業カラーの緑のトリミングを施したジャケットとシャツ、ベストに、座っても動きやすいフレアスカート、温度調節用のカーディガンの組み合わせ。スタイルが良く見える位置に切り替えやラインを入れ、しわになりにくい素材を使い、キチンと見えるデザインを心掛けた。サイズは5~17号と幅広く揃え、フィット感と動きやすさを両立させた。
今回は創業95年を迎えた宮坂建設が「100周年を前に制服の変更で企業イメージを刷新したい」と3K(キツイ、汚い、危険)と言われる建設業のイメージを高め、社員の意欲を引き出す狙いで、丸山にデザインを依頼した。
「未知の分野だが、自分の窓口を広げられる面白そうな仕事と思い引き受けた。制服は企業の理念やあり方を表現するもの。制服が着たくて、宮坂建設に興味を持つ若い人が増えるといい」と丸山。丸山が企画・監修、マミーナが生産を請け負った。冬に向けて、零下20度に対応する最新素材を使った防寒服も企画中だ。
宮坂建設工業の新制服と丸山(中央)