丸広百貨店と藤崎が県産品の販売で協業、相互出店やOMOを通じて

2022/09/30 06:26 更新


丸広百貨店と藤崎の担当者

 丸広百貨店(埼玉県川越市)と藤崎(仙台市)は、それぞれの県産品の販売で連携し、相互出店、OMO(オフラインとオンラインの融合)を通じた協業を始める。第1弾は丸広百貨店川越店で宮城県の物産展を10月4日までの1週間の会期で実施している。

 今回の協業は、生産能力や流通ルートが限られて、県外で販売していない地域産品をはじめ、通常の物産展では扱うことができなかった商品を揃えた。地域に根差した地方百貨店の商品調達力や編集力を生かした。両社ともに卸売り形態で、商品だけを店頭の催事イベントに配送して、販売は相手側の百貨店が請け負う。通常の物産展のように事業者や生産者の人件費などの販売経費が発生しないように低コストで運営する。今回は丸広百貨店の社員が藤崎に出向いて商品知識などを事前に研修し、販売している。

 催事イベント前はホームページや自社ECを通じて、店舗への誘客や告知し、事前予約でネットで注文して店舗で受け取り購入できるサービス(BOPIS)のほか、ウェブ限定品は店舗に見本を展示し、QRコードからその場で注文できるようにした。店頭にない商品もウェブを通じて藤崎の自社ECに送客する。

藤崎が選定した宮城の県産品を揃える(丸広百貨店川越店1階イベントスペース)

 藤崎は地域ブランド「都の杜・仙台」、丸広百貨店は県産品ショップ「モイ・サイタマ」を通じて地域と連携した独自商品の開発や販路開拓をしており、単に地域産品を販売するだけでなく、マーケティングからブランディングまで手掛けて事業支援する。地域商社事業は販路開拓を生産者に代わって担うことで、商品、サービスの付加価値化や市場の声を物作りに反映させられるビジネスモデルで、今回の取り組みでの実証実験に結び付ける。



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