カットソー製品のマルチョウ 素材企業と業務提携 ODMで新市場開拓へ

2022/09/20 06:26 更新


 カットソー製品OEM(相手先ブランドによる生産)のマルチョウ(東京)は、素材メーカーと業務提携を進めている。ODM(相手先ブランドによる設計)事業を強化するため、エイガールズ、ヤギとアライアンスパートナー契約を結び、新たなマーケット開拓を目指す。

 長谷川剛社長は「これまでの買う、売るだけの関係は続かない。互いに補い合い、高め合える関係しか、この先は生き残れないのではないか」との危機感が強い。そのため「限られた人的資源、生産背景を誰と組んでどう使うかを間違ってはいけない。一緒に未来を作れる相手と組む時代になった」と話す。

 エイガールズとのアライアンス契約では海外事業への足掛かりを築き、メイド・バイ・マルチョウを世界に発信するとともに、レディス市場への知名度向上と新規優良取引先の開拓を目指す。「これまでエイガールズが難易度の高い素材のため良さを伝えきれなかったマーケットに、マルチョウの改造ミシンを駆使した縫製技術を生かすことで販路の拡大が可能。製品OEMの強化にもつながり、互いの人材育成も期待できる」としている。

 開発力と国内外への発信力が高いヤギとのアライアンスでは、マルチョウのODM向けオリジナルブランド「グッドピープル/グッドステッチング/グッドプロダクト」(GGG)のための共同開発素材を使う。メンズを中心に国内外のOEM・ODMをはじめ、この先のブランド事業にも活用する。在庫リスクや期中対応力も高める。協業で高価格帯の販路拡大を狙う。

 9月後半から3回目の自社ODM展示会を開き、エイガールズとヤギの素材を使ったGGGの製品を提案する。今後、ODMを主力にしていくためにも「工場として収益性の高い自立した事業の確立が不可欠」(長谷川社長)との思いから今秋、レディス向けファクトリーブランド「クーラム」をスタートする。テレビ通販を軸にファンを増やす。来春には卸売りとECを軸としたレディスブランドも立ち上げる予定。

提携した素材メーカーの生地を使ったカットソー製品


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