丸ビルと新丸ビル、「丸の内スタイル」を再強化

2017/04/12 06:29 更新


10周年改装を進める新丸ビル(ユナイテッドトウキョウ)

 三菱地所プロパティマネジメントが運営する丸ビルと新丸ビルが開業からそれぞれ15周年、10周年を迎えるのを機に、ファッションの強化など大型改装を実施する。

 改装により、開業当初からのコンセプトである「丸の内スタイル提案」を強化する。今年はアニバーサリーイヤーとなることから、両施設を含めた「大・丸・有」(大手町、丸の内、有楽町)エリアでの集客と回遊性を高めるための記念イベントを充実する。

 9月に15周年を迎える丸ビルの売上高は15年度(16年3月期)が203億円、今月27日に10周年となる新丸ビルの15年度は215億円だったが、16年度は両施設とも前期を若干下回る見込みだ。これは衣料品不振の影響もあって昨年上半期まで例年になく減収傾向が続いたことが響いた。両施設とも今年1月以降は回復基調にあり、それぞれ年間売上高200億円は達成できる見通しだ。

■下期から徐々に回復

 下半期から対策を急ぎ、丸の内カードや同カードと一体型の三菱地所グループカードによる購買・飲食時のポイント5倍付与や、さらにボーナスポイントを付与するキャンペーンを行い、期間中に売り上げを5%台から10%台伸ばした。このほか販促を強化したことで売り上げは下半期から徐々に回復傾向となった。「底を打った」ことから、4月以降の17年度をアニバーサリーイヤーとして、例年になく多彩な記念イベントやエリア内での音楽イベントで盛り上げる。

 インバウンド(訪日外国人)需要は、銀座などに比べてまだ少ないものの、それでも「売り上げ全体の2、3%」になっている。三菱地所グループとしてアジアの旅行会社との連携や独自の翻訳システムの導入など、エリア内での迎え入れ体制が整いつつあり、それに伴ってインバウンドの売り上げも増えている。

 一方、改装はファッションゾーンの強化がポイントとなる。新丸ビルは今春、「10周年改装」を実施。新規10店を導入し、既存5店をリニューアルと、新丸ビルにとっては大型の改装になった。「ラグビープラス・カンタベリー」や「ルコックスポルティフアヴァン」など、男女に向けたスポーツテイストのアクティブライフスタイルを加えた。2階にメンズ・レディスの「ユナイテッドトウキョウ」、3階にはモードテイストの「トーナル」、コンテンポラリーな「パドカレ」、服飾雑貨「メゾンドソイル」、化粧品の「ニールズヤードレメディーズ」。4階は生活雑貨の「テネリータ」、靴と服飾雑貨の「エースシューズ」、メンズ・レディスの「アングレー」を新規導入。

 このほかに「マッキントッシュフィロソフィー」「エッセンス・オブ・アナイ・ルミエア」「銀座夏野」「カンペール」「アフタヌーンティー・リビング」を既存店改装した。

■男性を意識したMD

 開業以来のコンセプトである「丸の内スタイル提案」のほかに、エリア内の就業者だけでなく来街者に男性が多いことから、全体的に男性客を意識したMDを加えたのが特徴だ。既存店を含め、10周年を記念した限定商品の販売も行う。秋には一部レストラン・カフェも改装オープンし、10周年を盛り上げる。

 9月に15周年を迎える丸ビルは、2~3階のファッションゾーンを中心にビューティー、フードゾーンなどの改装を計画しており、大型の改装になりそうだ。




この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事