メーカーズシャツ鎌倉は創業月の11月、商品価格を全面的に改定した。4900円の単一価格から成長してきたが、ここ数年、商品の広がりとともに価格帯に幅が出始め、商品価値を伝えにくくなっていた。原材料・物流費の値上がりもあり創業時の価格には戻せないが、主力商品は5900円(本体)に統一した。「本来のビジネスモデルの強みを際立たせたい」と貞末奈名子社長は話す。来年創業30周年を迎えるにあたり、原点に立ち戻って競争力を強める狙い。パターンオーダー事業にも力を入れる方針だ。
「価格は顧客と会社の信頼関係を育む要素だが、ここ数年(価格に対する)ポリシーが何となく薄れてきた」(貞末社長)。企画の担当者は新しい製品を作りがちで、5000円に収まらないものが当たり前に出ていた。売れていれば問題ないが、そうでなければSKU(在庫最小管理単位)が増えるだけで商品管理も煩雑になり、セールをしない同社では在庫処分に困る。