「モノではなくサービスを売れ、というのがうちの会社。では、ECでサービスを売るってどういうやり方があるのか。ずっと課題だった」と話すのは、メーカーズシャツ鎌倉の関連会社で同社のEC事業を手掛けるSMR(東京)の田原和敏執行役員。その矢先のコロナショック。店舗休業を余儀なくされるなかで田原さんが思いついたのがテキストベースの有人チャットサービスで、昨年3月末に急きょ始めた。EC売り上げは好調だったが、それ以上に評価するのが、実店舗とECの融合が自然に進んだ点だ。
(永松浩介)
導入したのはメディアリンク(東京)のチャットサービス「シンクロ」。主流だったAI(人工知能)やボットではなく、人を介したやり取りにこだわり、店舗スタッフ数人を「チャット・コンシェルジュ」に任命した。初めての経験で戸惑うこともあったが、走りながら運営を改善した。