【パリ=松井孝予通信員】仏メディアは、仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループによる米ティファニー&カンパニーの買収が予定通り行われるだろうと報道した。
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両社は昨年11月、買収総額162億ドルで合意。法的許可を待つ間、新型肺炎のパンデミック(世界的大流行)によるラグジュアリー市場の不振、米国での黒人に対する警察の暴力に抗議する運動などの情勢が重なり、LVMH過去最大規模の買収について様々なうわさが飛びかっていた。これに対しLVMHは6月4日、公開市場でティファニー株を購入しないと発表。買収総額を引き下げる一つの方法として、ティファニーへの再交渉の可能性がささやかれていた。
一方、両社の間には厳しい条件の事前契約があり、これに従わなければ違反行為、また買収の中止に対しては違約金5億7500万ドルが発生する。LVMH内部からの情報として、買収合意を守る判断がとられたと仏メディアは伝えた。
ティファニーは9日の決算発表の声明で、アレッサンドロ・ボリオーロCEO(最高経営責任者)が、LVMHの買収を再肯定するコメントを出した。