第13回LVMHプライズの最終審査が9月4日、パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンで開かれ、ベルギー人デザイナー、ジュリー・ケーゲルスがグランプリを受賞した。奨励金40万ユーロと、LVMHグループによる1年間のメンタリングが授与される。
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ケーゲルスは27歳。アントワープ王立芸術学院を卒業後、同じベルギー出身のメリル・ロッゲや、当時「アライア」に在籍していたピーター・ミュリエのもとで経験を積み、24年に自身のブランドを設立した。25年9月から年2回、パリ・ファッションウィークでコレクションを発表している。女性が一日の中で見せる多面的な姿を着想源に、色あせや毛玉を残した再生ウール毛布のドレス、家具用化粧板を思わせる生地のシャツなど、身近な素材や物のイメージをずらして服に置き換える。

カール・ラガーフェルド賞は、「リー」を手掛ける中国人のゼイン・リーが受賞した。25歳で、ニューヨーク州立ファッション工科大学で学び、故郷の重慶周辺に生産体制を築いた。ジャージーを重ね、ネオプレンを立体的に裁断した、カラフルで幾何学的なシルエットを特徴とする。サヴォワールフェール賞には、「ヨシタ1967」のインド系ケニア人デザイナー、アニル・パディアが選ばれた。かぎ針編みとニットを軸に、鈴や鏡の円盤を飾った透かし編みの服を提案する。ケニアの女性職人70人と協働し、失われつつある伝統技術の継承にも取り組む。
仏紙『ル・モンド』によると、同賞を創設した「クリスチャン・ディオール」のデルフィーヌ・アルノー会長兼CEO(最高経営責任者)は、ケーゲルスについて「全商品カテゴリーを視野に入れた明確なブランド構想を持つ。服だけでなくアクセサリーまで含めた全身の提案を明快に説明した」と評価。候補者の中でも売上高が高く、確かな顧客基盤があることも挙げた。また、昨年グランプリを受賞した大月壮士について、受賞後に売上高を6倍に伸ばしたと明らかにし、同賞が若手ブランドの成長を後押しする力を強調した。
(パリ=松井孝予通信員)
