【パリ=松井孝予通信員】仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、傘下のクリスチャン・ディオール(CD)クチュールとルイ・ヴィトン(LV)経営陣の交代を発表した。就任するのは、いずれも2月1日付。
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CDクチュールの会長兼CEO(最高経営責任者)に、ピエトロ・ベッカーリ氏の後任としてデルフィーヌ・アルノー氏を任命した。これまで執行役補佐を務めてきたシャルル・ドゥラパルム氏は代表執行役員に任命された。18年からCDクチュールを率い、パリ・モンテーニュ店の大改装を成功に導いたベッカーリ氏は、LVのマイケル・バーク会長兼CEOの後任となる。
LVMHウォッチ&ジュエリー部門のステファン・ビアンキ会長兼CEOは、「ティファニー」と「レポシ」のスーパーバイザーも兼ねる。
CDクチュールの経営トップとなるデルフィーヌ・アルノー氏は、LVMHのベルナール・アルノー会長兼CEOの長女。アルノー会長の長男アントワーヌ・アルノー氏は昨年12月、LVMHを統括する持株会社クリスチャン・ディオールSEのCEOに任命された。今回の要職の異動はLVMH創業家族と外部とのバランスを図ることで、一族による後継体制を固めていく戦略的な人事と言える。