日本の宿泊業界に変化の兆し 高級ホテルの開業相次ぐ

2026/03/31 13:00 更新NEW!


「リゾナーレ下関」なみなみテラス

 日本政府観光局の発表では、25年の訪日外国人が初めて4000万人を超え、今年26年の予想は訪日客数4140万人、政府は6000万人まで増やす目標を掲げている。一方、急速な外国人観光客の増加に、宿不と人手の不足が深刻な問題となっている。物価や人件費も高騰、収益性低下と悩みは尽きない。平和産業である観光業は、潤沢に成長し続けるのか、懸念をよそに、いわゆる、ラグジュアリーな宿泊施設開業が数年前から増加傾向にある。

魅力あるホテルの誕生

 「日本には最高級ホテルが少な過ぎる」と世界的な評価を受けていた宿泊業界に、変化の兆しがある。海外資本の高級ホテルの相次ぐ進出や国内ブランドの個性派ホテルと、ラグジュアリーな宿泊市場は、客の争奪戦になるかもしれない。

 今回は日本のホテル業界に近年誕生した個性的なホテルや豪華な旅館の開業、リニューアルオープンなど、素晴らしいホテルや旅館の代表例を紹介しよう。26年3月、京都祇園甲部、祇園の中心地に「帝国ホテル京都」が開業。京都祇園甲部歌舞練場の敷地内にあり、かつて伝統の劇場だった弥栄会館の保存再生だ。この発端は、今から7年も前のこと。貴重な国の保存建築物の再生案件には、優れた匠、感性鋭い芸術家、建築家など技術も感性も鋭い精鋭たちが集結。多くの歴史的な遺産を再生し、近代建築を継承した京都ならでの至宝が増えたと評されている。日本生粋の高級ホテルとして業界をけん引してきた帝国ホテルは、30年ぶり、4軒目となる新規の開業に至った。

ブランドの特別感

 美しいリゾート地や隠れ家のような景勝地に、日本旅館とも高級リゾートホテルともいえる日本リゾート「ふふ」が、25年11月、初の都会進出を果たした。しかも日本を代表する銀座一丁目交差点に面し、瀟洒(しょうしゃ)なビルの高層部を占める。銀座の真ん中で各部屋にしつらえた癒やしの天然温泉に浸かれるという特異な豪華版である。

 次々に新物件を誕生させる星野リゾートが、本州と九州を結ぶ関門海峡に面する絶景地にリゾナーレブランドを開業。25年12月、クオリティーの高いホテルとして、ファミリーに人気のブランド「リゾナーレ下関」を開業。絶景のロケーションを生かし親子で遊べる施設は多彩、食事は名物「フグ」や郷土料理が中心の豪華ビュッフェが大好評。ビュッフェの席で聞こえてくる会話は、待望のホテル誕生に喜ぶ地元の人々、客同士の地元自慢の声だった。地元に愛されるホテルこそ、今後の宿泊業繁栄の鍵となりそうだ。

(ホテルジャーナリスト・せきねきょうこ)



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