「SCディベロッパーとしての役割である集客策ができない分、ショップスタッフ向けのES(従業員満足)施策に一段と力を注ぐ」と敦賀一裕ルミネ常務ルミネ新宿店長。「ピンチである今こそ、先を見据え、次につながる取り組みをしなければならない」と強調する。
ルミネ新宿は19年3月期に全館売上高が過去最高になり、今期も今年2月末までで前年同期比0.5%増。しかし、新型コロナウイルス拡大の影響で、今月は来館者、売り上げが急速に減少。全社として2日から営業時間を短縮し、12~16日に予定していたルミネカード会員の「10%オフ」を含め、館主催の販促を休止している。
3月は年間の月別売上高が最大で、昨年は54億円を売り上げた。ショップスタッフのモチベーションも高まる10%オフを中止する影響は大きく、「今月の売り上げは厳しく、通期でも前年割れとなる可能性が高い」という。
しかし、「こんな時期だからこそ、ショップスタッフとしっかり向き合い、次につなげていかないと」と先を見据える。「10%オフの時に買い物したいと思うスタッフも多い」ことから、特別割引価格で館内商品を買い物できるようにしたり、従業員食堂で特別価格のメニューを提供するなどして「スタッフの気持ちが沈まないよう、楽しく明るい仕掛けで元気付け」ている。
併せて、「こういう時期に来ていただいているお客に対して、どれだけ満足していただけるかが重要。ショップにそのための施策をお願いしている」。「商品の見せ方やお客へのアプローチの仕方などを今のうちに磨いておけば、コロナの影響が落ち着いた以降、ショップとお客に新しい関係性が生まれる」と強調する。