「ルイ・ヴィトン」 ヴァージルの追悼ショーをマイアミで開催

2021/12/07 11:00 更新


マイアミの会場には、アブローの像が設置され、赤い気球が揚げられた

 「ルイ・ヴィトン」は、先日がんのため急逝したメンズ・アーティスティックディレクターのヴァージル・アブローの人生に敬意を表して、22年春夏メンズコレクションのスピンオフショーをマイアミで開催した。巨大な会場にはアブローの大きな像が設置され、夕暮れをバックに赤い気球が飛ばされた。当初から予定されていたショーで、アブローも最後まで携わってきたが直前に急逝し、急遽(きゅうきょ)追悼ショーとなった。会場にはプレスやセレブリティーらが大勢集まった。

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 登場したのは、6月にビデオで発表されたアブローによる最後のコレクション。ターコイズブルーのテーラードジャケットとプリーツスカートのセットアップ、グリーンとスカイブルーのブルゾンとパンツなど、目が覚めるほど鮮やかなコレクションが悲しみとは裏腹に会場を彩った。中には、今回初披露のルックもあった。

 アブローはファッション業界におけるダイバーシティー(多様性)の考え方を具現化した人と言える。7月に発信した声明でアブローは、「フランスのラグジュアリーメゾンの一員である黒人男性として、自分が直面したリアリティーを明らかにしてきました。手本となって先導し、未来の世代のために扉の鍵を開けたいと願っています」。また、「ファッション業界にいる有色人種として、あらゆる人を受け入れ、統一性や多様性を保ちながら、個性を発揮させることに尽力します」と語っていた。

 ルイ・ヴィトンのマイケル・バーク代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)は、「ヴァージルは現代における最高の文化的コミュニケーターの一人でした。慈悲と情熱とともに献身的にコミュニティーを支持し、不可能はないという信念を持つ永遠の楽観主義者でもありました。その精神を尊重し、思いを引き継ぎ、マイアミでの最後のショーで彼のレガシーに誇りを持って賛辞を送ります」と語った。

 会場の夜空には「Virgil was here」などアブローへの追悼の文字がドローンで描かれた。

ヴァージルによる最後のショーとなる「ルイ・ヴィトン」の22年春夏コレクション


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