「反トランプ感情は販売リスク」 リーバイス英国法人が報告書

2025/09/22 17:00 更新NEW!


 米国のリーバイ・ストラウス&カンパニーが英国法人の報告書で「反米感情の高まり」を販売リスクに位置づけた。背景には、トランプ関税などの強硬な通商政策への反発がある。

 同社は英国市場について、高インフレ(7月は前年同月比3.8%増)と景気後退懸念が重なり、可処分所得の縮小で衣料が生活必需品との競合を強いられていると指摘。価格転嫁の余地が限られるなか、ブランドの「国籍イメージ」が消費者に影響すると分析している。

 欧州では北欧を中心にフランスでも米国製品ボイコットの呼びかけが相次いだ。フランス調査会社の調べでは、フランス人の約3割が米国品の不買を表明。マクドナルドやコカコーラがフランス内での雇用・生産を強調するキャンペーンを展開し、消費者の反発に対応している。

 これまでファッション産業の課題は主にコスト負担や価格に集中してきた。だがリーバイスの警告は、消費者心理と政権の政治経済姿勢が市場を揺るがし得ることを示す。トランプ関税などの不透明感が続くなか、ブランドにとって価格と並び国籍イメージへの対応が競争力を左右しつつある。

(パリ=松井孝予通信員)



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事