レオンインター、野生鹿の副産物でバッグや靴を製品化

2018/03/14 06:25 更新


ハンドルを持つと、立体的なバケツ型になる変形バッグ

 レディスOEM(相手先ブランドによる生産)、ODM(相手先ブランドによる設計・生産)が主力のレオン・インターナショナル(大阪市)は自社ブランド「ポルティラ」で、野生鹿の革を使ったバッグや靴を企画・生産している。

(関麻生衣)

 国内では鹿による被害が深刻な社会問題となっている。農作物への被害額は年間で60億円にのぼり、1年で50万頭の鹿が害獣として処分されているという。駆除された鹿のほとんどが山に遺棄されてしまうなか、「生活の中で命あるものと関わっていることを伝えたい」と製品化した。

 鹿革は重金属を使用しないなめし剤で染めるため、オフホワイトのような優しい色合いで、ナチュラルな表情が特徴。猟銃でついた傷も持ち味だ。

 バッグ「ホリディ」は、対角に付けたハンドルの位置と斜めに入れた縫い目で、持つとひねりが入り、立体的なバケツ型になる。裏地をなくして軽さを持たせた。折り畳むこともでき、利便性も兼ねる。白とナチュナルが税込み2万7000円、合成藍が3万1320円。そのほか赤ちゃんが初めて履くファーストシューズ、ポシェットなども作る。

野生鹿の革を使ったファーストシューズ。クロムを使わない無公害レザーのため、赤ちゃんに履かせても安心

 鹿革のほかにも豚革を使ったトートバッグやポーチ、牛革を使ったベビーストラップシューズやチャッカブーツなども販売している。全て国内生産で、兵庫県たつの市の自社工房で革をなめし、大阪と三重の熟練職人が縫製する。

 販路は「私の部屋」や「クレヨンハウス」など生活雑貨ショップほか、自社ECなど。「感度が高い消費者に、背景を理解して購入してもらえるとうれしい」という。

 レオン・インターナショナルは、もともと事業の一環として、クロムを使用しない無公害レザーを作っていたが、3年前にブランドとして製品化も始めた。染色も植物を主原料とし、藍や桜、アジサイなどを使って環境に配慮する。




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