23年春夏レディスシューズ 素足に映えるアシンメトリーなカットや配色

2023/01/16 07:58 更新会員限定


 国内外のレディスシューズブランドの23年春夏向けは、アシンメトリーなカットやコントラストを利かせた配色など、躍動感のあるデザインが目を引いた。一段と増えているのは、ヒール付きのサンダル。おしゃれをして外出する機会が増えるなか、心地よい緊張感のある足元を意識する傾向が強まってきた。

(須田渉美)

革のしなやかさ生かす

 エレガントなサンダルに共通するのは、ヌーディーな魅力と抜け感を備えた構造だ。留め具を使わず、革のしなやかさを生かして素足に映えるシルエットが形作られている。

 「ロランス」は、スクエアトウのサンダルに、革ひもがたわんだ輪のストラップを重ね合わせて造形的に見せた。昨春夏、細い革ひもを束ねてボリュームのあるストラップのサンダルを提案。その構造を発展させて、若干幅のある革ひもを採用し、甲の周りから足首に掛けて円を描くようなフォルムに仕上げた。

 内に入ったヒールの高さは5センチ。ブラウン地にゴールドの革ひもが一筋入って、革ひもの自然なたわみが映える。モダンでクラフト感の美しさが際立った。

ロランス

 「ピッピシック」は、フェミニンな輪郭が映えるラウンドトウのサンダルを作った。きれいな丸みを帯びたトウラインのソールに、アシンメトリーなカットでアッパーの革を2本のストラップ状にデザイン。ヒールの高さは5センチ。サイドから土踏まずに向かって、足の甲に緩やかなカーブを描くストラップが、フェティッシュなムードを描く。曲線のカットラインを残すことで、甘すぎず、きりりとした女性像を印象付けた。

ピッピシック

 「カチム」は、素肌とレザーのコントラストをシャープに見せた。エッジの利いたポインテッドトウをアシンメトリーに切り替えを入れる。ヒールを覆うレザーを延長させて直線でカットし、ストラップがジオメトリックな形状を成すウェッジヒールのサンダルに仕上げた。ヒールの高さは7.5センチ。自立した強さを感じさせながら、素足と一体感のある輪郭によってセンシュアルな美しさを感じさせている。

カチム

 スマートで主張のある造形を作るのは「カルチェグラム」。昨春夏も人気のあった安定感のあるプラットフォームサンダルをベースに、素足に心地よいパッデッドのアッパーを組み合わせた。サイドがつながった曲線のカット、折り返した変形ストラップとアシンメトリーな構造がチャームポイント。程良くボリューム感もあって、遊び心のある足元をさっそうと見せた。

カルチェグラム

 「ヘンリエンヴァーゴ」は、異素材とのコンビネーションに着目。ラウンドしたトウライン、ぽってりとした形のウェッジヒールなど、柔らかな線でフェミニンな印象を作りながらも、指の付け根を横断する直線のストラップでメリハリを付ける。並行して、甲を直線でカットしたPVC(ポリ塩化ビニル)で覆い、クリーンな女性らしさを引き出した。

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