岡山県織物染色工業協組 安心・安全保証の新ブランド

2018/10/17 10:58 更新


 児島を中心とした岡山県の染色加工業6社が加盟する岡山県織物染色工業協同組合は、加工の安心・安全を保証するブランド「倉敷染」を立ち上げた。グローバルSPA(製造小売業)などが加盟している国際団体「ZDHC」の安全性基準を採用。ニッセンケン品質評価センターが検査を担当する。有害物質規制は世界的な潮流であり、そうした動きに対応できる産地であることをアピールする。

(三冨裕騎)

4月に新組織発足

 同組合には生地染めの正織興業、堀江染工、山陽染工児島ファクトリー、製品染めのニッセンファクトリーと豊和、デニム整理加工のコトセンが加盟している。今年4月に安全性を認定する組織として、各社が加盟する倉敷染推進委員会を立ち上げた。ZDHCの基準をクリアした製品、加工を倉敷染として認定し、ロゴの使用などを認める。

 検査費用は加盟各社の負担。ロゴは各社がサブライセンシーとしてアパレルなどに使用してもらう仕組みとなっており、商標を保有している同組合は運営を会費でまかなうため、ラベルを収入源とはしない。また、認証の際には必ずしも産地内での染色加工を必要とはしない。

紡績、織布とも連動

 特別会員として岡山県下の組合など各繊維団体が、協力会員として薬剤メーカーなどが参加。一般会員も募集しており、染色業だけでなく、紡績、織布などとも連携し、安全な物作りができるサプライチェーンを構築する。現在はバイストンが展開する「倉敷帆布」の一部製品に使用されており、今後も増える見通しだ。

 同組合の難波眞理事長は、「これまでは日本で法律に定められた基準を満たしていれば問題が無かった。しかし、世界的に安全性への関心が高まる中、グローバルSPAを中心に独自の高い安全基準を定める動きが強まっており、輸出の際には薬剤や染料の成分について問い合わせが来るケースも増えている。こうした動きにいち早く対応している産地であることをアピールしていければ」と広がりに期待を寄せている。

生地染めや製品染めなど様々な製品に展開可能だ
倉敷染ロゴマーク


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