地方都市を中心に中小規模の書店の閉店が深刻だ。若者の活字離れや電子書籍の普及で紙の出版物(書籍や雑誌)の市場規模は減少傾向にあり、全国の書店数も減り続けている。厳しい経営環境が続く中でも、くまざわ書店(東京都八王子市)は、「書店は本と人とを結ぶ文化の拠点」とし、商業施設など、閉店する書店の代わりに出店する〝置き換わり出店〟にも力を入れる。「本は人を作る」との思いで、売り場での接客を重視し、本を開く体験価値を伝えるなど書店に足を運ばせる取り組みにも積極的だ。「書店の灯(ともしび)を消さない」姿勢を貫いている。
体験価値を提供できる場として
――「街の書店」は減少傾向にある。
インターネットの普及で活字離れやネット書店の台頭もあり深刻な状況です。特に地方都市で中小規模の書店の休・廃業が目立っています。出版文化産業振興財団の調査によると、全国1741市区町村のうち、「書店ゼロ」の自治体が24年3月時点で482に増え全体の3割近くになっています。
――減少は世界的な傾向か。
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