紙・パルプ専門の大手商社、国際紙パルプ商事(東京)は店頭での洋服試着時に使うフェイスカバーで、植物由来100%のパルプ製カバーを開発した。これまでの合繊不織布製に代わるサステイナブル(持続可能な)な店舗資材として訴求し、アパレルブランドや小売店との取引につなげる。
同社はアパレル向けの新規事業として紙製フェイスカバーを開発し、21年から販売開始している。従来品はポリプロピレン製の不織布など石油由来の合繊が大半で、サステイナブルの観点からこれに代わる物として企画、大手SPA(製造小売業)で採用され、副資材問屋などでも扱っている。
一方、前モデルは主力のパルプに加え、バインダー繊維として合繊を25%使用しており、パルプ100%タイプのニーズが寄せられていた。このため、フェイスカバーに求められる通気性と薄さ、強度とのバランスを追求し、1年半がかりでパルプ100%タイプを開発した。
顔をおおう前面は高通気タイプ、背面は紙を組み合わせた設計。製紙、加工いずれも国内で完結する。FSC(森林管理協議会)認証も取得予定。
8月から販売を開始し、サステイナブルに力を入れる大手小売業やアパレルブランドに向けて提案していく。