東京・新宿区のJR新大久保駅周辺が若者であふれかえっている。特に多いのが、韓国のグルメやコスメ、アイドルグッズ目当ての女の子たち。新宿駅から1駅、歩いても20分圏内のためか、アパレルを販売する店は少数で、ファッション目的で来ている子も少ない。街の活気を見る限り、アパレル店にも商機はありそうだ。
(友森克樹)
JR新大久保駅の17年度の1日平均乗車人員は、4万8220人で前年度比9.8%増だった。この伸び率は、JR東日本の駅別乗車人員ベスト100のうちのトップで、100駅の平均増減率1.4%に比べても大幅に増えた。同駅の直近5年の増加率と比較しても17年度に急伸し、ここ1年で街がにぎわい出したことが分かる。増加の想定要因は、「近年の韓流ブームで利用人数が増えている」(東日本旅客鉄道広報部)と見ている。新大久保商店街組合も「ここ1年で特に人が増えた。食べ物を写真に撮って、SNSに投稿している女の子が多い印象」という。
8月末の平日、新大久保で女の子たちに「新大久保に来た目的」「韓国を好きになったきっかけ」などを聞いてみた。
チーズ入りのアメリカンドッグを食べながら答えてくれた大学1年生の4人組は、「コスメブランド『イッツスキン』の店が好きで」訪れた。「韓国好きの友達に連れられて来ているうちに食べ物にはまった」という。服は、「韓国を意識しない」ようで、「渋谷や池袋のファッションビルで購入する」という。
高校1年生の2人組は、「日本と韓国のハーフでユーチューバーのふじぴが撮影すると知って」東京・吉祥寺、東久留米からやって来た。K-POPから韓国にはまり、「今はメイクもファッションも韓国のアイドルを参考にする」という。韓国ブランドの服を買っているわけではなく、「ウィゴー」「ジーユー」「H&M」などで、「韓国風に着こなせそうな服」を選んで購入している。シャツの袖のボタンを外すなど「着こなし次第で韓国風に見せられる」ため。
10代と20代の社会人2人組も「食べ物やコスメ目的でよく来る」。やはり「服は韓国を意識しない」が、「メイクは『トゥワイス』を手本にしている」という。「スタイルが違うからファッションがまねできない分、顔の雰囲気や髪色だけでも近づけたい」ようだ。
新大久保の韓国好き女子からは、意外にも著名な韓国ファッションECの名前は出てこなかった。そんななか、よく買うファッションECとして、「キューテン」「ゴゴシング」「COSZOZO」などが挙がった。
(繊研新聞本紙9月11日付)