コメ兵ホールディングス(HD)は、22年3月期からの3年間で、直営買い取り専門店100店の出店を達成した。リユース市場が浸透し、新規参入も増え、国内の買い取りは「ここ何年かで味わったことがないくらい厳しい」(石原卓児社長)状況の中での店舗数拡大。「それくらいやらなければ大きな成長は難しい」との考えが根底にある。
小売り、法人への豊富な販売チャネルを背景に、適正価格での買い取りを強みとする。一方、「金額は買い取りの決定打にはなるものの、お客様にとって〝家に近い〟というのも動機の一つ」とし、客の生活動線上に、小型買い取り店の出店を強化してきた。
24年3月までの3年間で、新規出店した買い取り店は101店にのぼる。潜在顧客が見込めるエリアへの出店で、1店につき1億~1億2000万円を買い取り、24年3月期の第3四半期までの累計で個人買い取り額は前年同期比39.7%増。昨年オープンしたコメ兵渋谷店などの小売り在庫を補う。
出店計画に合わせて採用・育成も進み、今年4月には45人の新入社員が入社。24年3月期にはキャリア採用200人を迎えた。「お客様が、良い〝物との別れ方〟をするために、我々はどんなサポートができるか」。商売だけでなく、リユースの価値への理解も採用では重視し、足並みを揃える。
25年3月期に向けても「成長のペースはゆるめない」。買い取り店は前期までの年間15~20店の出店ペースから落とさず、目標以上の出店を見込む。