小松マテーレ 渋谷に製品染めのショップ「Co-mt.」

2019/07/25 06:30 更新


 小松マテーレは24日、渋谷に製品染めの自社商品をそろえたショップ「Co-mt.」(シーオー・エムティー)をオープンした。1年間の期間限定店で、面積は82.5平方メートル。ショップを拠点に消費者と業界に製品染めの可能性をアピールする。10月からは自社でEC販売も始める。3年後に10億円の売り上げを目指す。

(小島稜子)

 同社は、02年の小型染色機「染料役者」の開発以来、製品染めの普及に努めてきた。池田哲夫社長は、「高次加工のメーカーとして、〝デザインは技術〟を合言葉に素材の差別化を見せる」と意気込んだ。開発中の製品も置き、「消費者やファッション業界の企業の声を聞いて製品のクオリティーを上げる」ことを目的とする。ショップを運営する1年間で韓国とイタリアでも並行して製品染め事業の可能性を探る。

池田哲夫小松マテーレ社長(左)と中山大輔専務取締役

 製品は生地、縫製ともに当面は国内生産を基本とする。メンズで15素材、20型をそろえる。合繊をデニム調に見せる中白染めや、ポリエステルを改質し分散染料と酸性染料で染める多重染色などを使い、「これまでに見たことのない合繊の風合いや色」を表現した。環境配慮素材として、製品の一部に廃棄食材を使う「オニベジ」で染めたものもある。

小松マテーレ「Co-mt.」製品染め製品

 購入後に製品を違う色へ染め直す「リカラー」を、サステイナブル(持続可能)な取り組みとして打ち出す。服を染め直すことで、トレンドや好みが変わった際も廃棄せず長く使うことにつながるという。

「Co-mt.」の店内

 製品染めに使用する機械を日阪製作所と共同で新たに開発した。染色と前処理や後加工を連続で行えるのが特徴。通常130℃で染めるポリエステルを70℃で染めることや、「ダントツ撥水」などの後加工、スチーミングもできる。今後、国内の製品染めの設備を、既存の染色機から新型機に刷新する計画。

 今後は、「縫製がボトルネック」とし、「製品染めにおける科学的・物理的な負荷に耐える縫製技術を持つサプライチェーンをおさえる」ことを目指す。

製品染めの自社製品をそろえた「Co-mt.」


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