「アヤーム」は、17~18年秋冬にデビューしたレディス、メンズのブランド。英セントラル・セントマーチン美術大学ニットウェア科を首席で卒業した、87年生まれの竹島綾が手掛けている。在学中に、シャネル傘下のクチュール刺繍アトリエ、メゾン・ルマリエと、いま勢いのある仏「コシェ」でインターンを経験したという旬な経歴の持ち主だ。18年春夏から、本格的に卸販売を開始する。
デビューコレクションのレディスは、細かなギャザーやシャーリングで作り出す量感と、ニットや布帛の切り替えによる質感の違いをポイントにした。手編みのブークレにギャザーを寄せたギンガムチェックのファブリックをのせて動きを出し、ブラウスもギャザーによって袖がふんわり丸く膨らむシルエット。
手が込んでいても、DIYにも通じるような突き放した感覚があって軽いところが、今の気分に合っている。メンズはよりシンプルなデザインで、素材の質感変化を全面に出した。
卒業制作で見せた中の一体
大学の卒業制作では、ルマリエからの生地提供も一部受け、クチュールライクなテクニック満載のコレクションを発表した。プリーツ地に刺繍を加える、ハイゲージニットにオーバーロックミシンをかけ、更にリンキングして柄を作る、といった具合だ。アヤームは既製服として日常にも取り入れやすいアイテムを揃えるが、こうしたテクニックがどことなく感じられるところが魅力だ。
製作の遅れから、17~18年秋冬展は5月中旬に行った。18年春夏は一般的な展示会スケジュールで発表し、卸し先開拓をめざす。