無料試着・外出サービス「キテク」 借りた服着てSNS発信

2019/07/26 06:29 更新


 無料試着・外出サービス「キテク」を運営するスプリング・オブ・ファッション(保坂忠伸代表)は今秋、同サービスを強化する。これまでの試着外出に加え、試着外出時に撮影した自身の写真をSNSへ投稿することを通じて、その商品を販売できるようにする。販売実績に応じて報酬も発生する。

 現在、アパレル小売業約10社が導入を検討している。消費者がファッションと接する機会を増やすことで、業界の活性化を目指している。

 キテクは、サービスを導入した店舗で指定されている服を着て、無料で最大120分間レンタルができるというもの。導入を希望する企業は、同社に対して月額費用や対象商品ごとの手数料などを支払う必要がある。今春には約1カ月間、三陽商会のセレクトショップ「ラブレス」青山店で導入された実績がある。若年層を中心に、新たな層の集客につながったほか、サービス利用者のレンタル中のSNSへの写真投稿率は100%だったという。

 秋のサービス強化では、キテク利用者がSNSに投稿した商品を自身のフォロワーに販売すると、商品価格の3%(予定)が報酬として得られる。購入者のトランザクションはすべて各企業の自社ECで行うため、顧客データを取得できる仕組みだ。また、インスタグラムに投稿した写真についた「いいね」一つにつき、1円の報酬も得られる。いいねの報酬は、利用者のフォロワー数に応じて上限を設ける。

 キテクの新サービスの主対象は、フォロワー数500~1万程度のマイクロインフルエンサー層で、「デジタル時代の口コミを目指す」という。ユーザーの自発的な投稿により、ファッションに関心が薄い層のファッションとの接触時間を増やす狙いがある。「これまで『購入するために行っていた試着』を『SNSに投稿するための試着』とすることで、購買率に大きく影響する試着のハードルを下げることができる」とも考えている。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事