スタッフの洗練とトレンド(藤永幸一)

2016/04/12 00:00 更新


「NEWoMan」のオープニングカット。新宿に新しい情報発信の館が生まれたようです。なにが新しいか、トレンドかというと、「大人女性」がちょっと肩の力を抜いた、じぶんらしさに身を包むといったエフォートレスなファッションを楽しめるブランドがかなり顔をそろえたのではないかという点です。


 

あまり気どらずに、自分らしく、「どうおしゃれを楽しむか?」がキーポイント。もともと、きちんと感が今までの流れにあって、いよいよ、「抜け感」に入ってきたという感じ。ロン・ハーマンあたりから本流になってきていますね。

研修などで、女性のおしゃれには「視覚タイプ」と「感覚タイプ」のアプローチがあることを伝えています。そして、視覚タイプはスタイリッシュさを磨くこと、感覚タイプは上質感を磨くことで洗練されていき、ハイクラスになると、視覚タイプと感覚タイプのおしゃれが融合することを教えています。

今、話題のエフォートレス・シックの流れは、まさにその一つの事例です。ゆるやかさ、心地よさをベースにじぶんらしさを表現していますが、決してだらしなくはない。汚くない。きちんとした大人の女性の身体にこそ似合うトレンドです。抜け感、こなれ感というのは、「きちんとした元(身体)」がなければ表現できないわけです。

 

 
写真はイメージです

 

数年前になりますが、バロック(ジャパン・リミテッド)さんが「エンフォールド」ブランドをリリースした時、研修に参加していたスタッフに、「このブランドは、従来的な売らんかなの販売では売れません!スタイルの概念がなければだめ。スタッフ自身がスタイルに関心を持たなければね」という話をしたことがあります。

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スタート時のエンフォールドは、きちんと感が強すぎましたが、シーズンごとにやさしさが加わり、スタッフよりも先にお客様の支持を広げましたね。先日、マッシュの「ミラオーウェン」についても書きましたが、このブランドも同じような路線上にあります。今回のトレンド、とても良い流れだと思っています。

ただ、流れに乗れるブランドとはじかれるものの差が大きくなりそうです。接客スタッフよりも、お客様が先をいく? エフォートレス・シックというのは、周りに不快感をあたえるような振る舞いであってはならず、むやみに緊張感を強いることなく、一緒にいて心地よさをつたえられるような着こなし。

その心地よさは、洗練であり、上品であり、スタイリッシュであり、個性。となれば、アパレルの現場に立つスタッフが、もっと自分磨きをしなければでしょう。

流れに乗れないブランドの安売り舞い戻り、甘ったるい声での「いらっしゃいませーえ」逆戻りを警戒!そして、もう一方で、メンズ君ブランドがどのように表現してくるか?今年のファッションは、楽しみです。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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