京阪百貨店 基幹店中心に各カテゴリーで「直営化」

2018/06/08 06:28 更新


 京阪百貨店(大阪府守口市)が基幹店の守口店を中心に、各カテゴリーで「直営化」を進めている。16年春に婦人服、紳士服の自主編集・自主販売売り場を守口店で立ち上げ、今春は服飾雑貨の直営売り場を同店に開設した。5月下旬には京橋店に飲食の直営店も出している。今後、守口店のリビング売り場にも直営店を設ける予定だ。直営化を推進していくために、人事制度も変更している。

(吉田勧)

 直営化は「商品力を上げること」で、店舗の魅力を高めるのが狙い。食料品の生鮮3品は創業時から直営で運営しており、同社の強みとなっている。16年度には食料品のグロサリーの5店全店の直営化も完了した。

 非食品では、16年春に衣料主体のセレクトショップ「トラディショナルスタンダード」のレディス店を守口店の3階、メンズ店を同4階で立ち上げた。レディス、メンズ店ともに好調で、初年度売上高は予算を10%以上上回り、前売り場比較でも大幅な増収を達成している。

 17年度も外商客を中心とする顧客化が進み、両店の売上高はともに前年比30%増と伸ばしている。17年3月に開設した服飾雑貨の大型編集ゾーンの「ナナイロフルール」も、現状は予算を下回っているものの、30~50代の新規客層を獲得しており、年間では予算達成を見込んでいる。

好調な「ナナイロフルール」のスタイルアップゾーン

 5月24日に、京橋店地下食料品に直営のイートイン「とれとれ寿司」を開設した。生鮮3品を直営運営していることで生まれたもの。5月17日には枚方店2階に開設した売り場面積1338平方メートルの「無印良品」も同社がFC店として運営しており、いわば直営だ。今後、守口店5階にキッチン用品、ルームウェア、ステーショナリーなどを集積した、売り場面積約155平方メートル規模の直営店も開設する予定だ。

 「どんな世界でも深い専門性が重要。そのため、マネジメント主体の組織ラインから専門性を処遇できるような人事制度に振っている」(辻良介社長)と人事制度も変更している。また、人材の多能化を進めていくための「マルチタスク推進委員会」を4月に立ち上げた。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事