「ドレス・コード?着る人たちのゲーム展」が開幕

2019/08/14 06:26 更新


 京都服飾文化研究財団(KCI)などが主催する展覧会「ドレス・コード?着る人たちのゲーム」が京都国立近代美術館で開幕した。18世紀の宮廷服から現代服まで、KCIのコレクション90点を展示。写真や映像、漫画、映画、演劇などをミックスし、服と人の様々な関わり方を紹介する作品300点も紹介する。10月14日まで。

 KCIは5年に1回、大きな展示会を開催し、これまではマネキンとコレクションを組み合わせた見せ方が中心だった。今回は初の試みとして、人間が他人の眼を意識しつつ、何を考えながら服を着るのか、という行為に演出の焦点を当てた。 

 会場は疑問符「?」を付けた13のセクションで構成。貴族の女性、スーツの男たち、アウトロー、普通の人々など多様な人間を取り上げながら、収蔵品やアート作品を組み合わせて展示している。例えば、「組織のルールを守らねばいけない?」のセクションでは、組織に所属する人間の象徴として、1900年代から現代までの約20体のスーツを展示。クラッシックスーツ、現代風のビジネススーツ、労働着から派生したというダブダブのズートスーツなどを対比し、スーツを着ていた人々の思いがいかに異なるかを連想させる。

 「他人の眼を気にしなければいけない?」では、オランダ出身の美術家ハンス・エイケルブームの「フォトノート」を紹介している。1992年から25年以上、50を超える都市の街角のファッションを撮り続けてきた膨大な写真データ。人と違う服装を意識しているはずが、実はタキシード、デニムファッション、迷彩服など同じ服装をしている人々が多いことがわかるユニークなアート作品だ。

 レセプションで塚本能交KCI理事長は「ファッションは、着るだけでなく見られるものという新しい視点に挑戦した。ファッションにあまり関心の無い人でも、家族連れでも楽しんでもらえる展覧会となれば」とあいさつした。

歴代のスーツが並ぶものなど13セクションで構成


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