トラッドアイテムにストリート要素を独自に盛り込んだメンズ「カズヤ・オカムラ」が25年春夏から本格スタートした。セレクト店やアパレルメーカーで7年経験を積んだ岡村一矢さんが独立し、大阪で立ち上げた。このほど大阪と東京で消費者や専門店を対象に展示会を開いた。
(小畔能貴)
岡村さんは子供の頃から服が好きで、デザイナーを目指し、自身のブランドを立ち上げるのが目標だった。専門学校を卒業後、有力セレクトショップなどで企画を担当。元々スポーティーなアイテムを使ったストリート寄りのスタイルが好きだったが、そこでトラッドアイテムの持つ普遍的なデザインの魅力も知った。こうした経験を生かしてカズヤ・オカムラを立ち上げることにした。
トラッドとストリートのアイテムはそれぞれ極端なものが多く、きれいめとストリートの両方で着こなせる汎用性の高いものがあまりない点などに着目し、独自の打ち出しを目指した。生地屋や副資材メーカーが多い大阪の立地も生かし、別注ファスナーを活用するなど「素材選びの段階から付加価値を目指した」。
例えばボタンダウンシャツは、100番手双糸使いのドレッシーでシワになりにくい綿・ポリエステル織物を使い、ラグランスリーブやほどよいリラックス感のあるシルエットに仕立てた。小ぶりなピスネームも遊び心のある形で付けている。
コーディネートに薦めるタック入りチノトラウザーズは、軍服などに使用される強度の高い上質な生地を使い、脇線を前に振ったパターンで、ワイドで裾がカーブしたシルエットを作った。
アウターは表地に撥水(はっすい)性、裏地に速乾性のある「クールマックス」を採用したブルゾンがある。ショート丈で、チンストラップや裾を調整できるアジャスターが付く。このほか、ヘビーウェートだが表面がきれいな素材感のTシャツ、デニムやダックを使ったダブルニーのショートパンツなど。商品は全て国産。
初の展示会に向けて自社ECを立ち上げ、受注生産方式で販売をスタートした。小売価格はアウターが税込み2万9000円、シャツ1万8000~2万円、パンツ2万3000~2万5000円など。
ブランドの知名度を広げるため、専門店への卸売りも進めていく。同じアイテムでも卸用に価格を変えて対応する予定だ。