オーネミューエ(東京、長谷川まゆみ社長)の子供服ブランド「カスリキッズ」は、成長に合わせて買い替えが必要な子供服を長く着られるデザインにこだわり、エシカル(倫理的な)商品の価格面でのハードルを下げようとしている。年商3000万~5000万円を目指す中で、目下の課題は認知拡大だ。長谷川さんは「環境、人権などへの影響を抑えて製造した洋服を着た時のすがすがしさを子供にも親にも知ってほしい」と話す。
(山村麻衣子)
2歳から7歳まで
代表アイテムは、5年の着用を想定したワンピース。サイズはS(90~110センチ)、M(120~140センチ)があり、Sは2歳でロング丈、7歳でレギンスと合わせてミニ丈で着られる。前後で着用でき、前開きでジレにもなるスリーウェー仕様だ。

パンツは2~3年着られるユニセックス。破れやすい膝部分と10~15センチの折り返しが可能な裾は生地を二重にした。ウエストには調整ボタンを付けた。
いずれも、久留米絣の端切れで作った紺、黒、赤の3色(税込み1万8700~1万9800円)と、GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)認証の糸を使った久留米絣の藍染め(2万8600~2万9700円)がある。
久留米絣の端切れで作ったノースリーブのワンピースもある。紺、紫、茶の3色で100~130センチの4サイズ。1万8700円。これらの企画は、長谷川さんの前職のテーマパーク時代の同僚デザイナーに業務委託し、相談しながら決めている。
各賞を受賞
伝統織物とエシカル消費を組み合わせたビジネスモデルが注目を集めている。24年にNPO法人(特定非営利活動法人)キッズデザイン協議会の「キッズデザイン賞」、今年3月には一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会の「ソーシャルプロダクツ賞」を受賞した。
自社ECのほか、エシカル商品専門店のECや、3月末まで東京・有楽町マルイの「エシカルな暮らしラボ」などで販売している。大阪府豊中市の「ビオぐるり」など、福井、東京、千葉の量り売り店では試着可能な商品を展示中だ。
知名度拡大のため、クラウドファンディングのキャンプファイヤーでも4月30日まで販売。長谷川さんは「事業を軌道に乗せ、循環型経済の提案を長く続けていきたい」と話している。