繊産連 特定技能外国人受け入れ、73件の監査は全てA判定

2025/07/17 06:26 更新NEW!


 日本繊維産業連盟(繊産連)は7月14日に常任委員会を開き、委員会後に日覺昭廣会長、富吉賢一副会長・事務総長が会見を行った。特定技能外国人受け入れで繊維業に課された追加4要件について、「人手不足に対応し、違反のない産業に変わっていくチャンス」(日覺会長)と強調した。

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 4要件の一つの国際人権基準への適合で、経済産業省中心に策定した監査要求事項・評価基準「JASTI」が4月にスタートした。繊産連はJASTIの統括事務局を担い、制度運用を開始している。

 7月11日時点で73件の監査結果が公表され、いずれもA判定だった。「申し込みは倍以上で200を超えている。社会保険労務士会連合会での監査も始まり、上乗せされる見通し。初回はハードルを下げており、A判定維持には一層の人権対応を進めてもらわなければいけない」(富吉副会長)と、特定技能受け入れの前提となる人権対応を促す。

 また工業製品分野の特定技能受け入れ事業を担うJAIMが設立され、繊産連も正会員に加わった。JAIMは行動規範で賃上げ基準を策定、大手は年3%、中小は1.5%以上を課す。JAIM会長を兼務する日覺会長は「一般的には高いハードルと受け止められているが、(個人的には)日本の報酬水準は海外と比べて低く、もっと上げていく必要があると思う。特定技能外国人を含め底上げをしていかないと日本に来てもらえなくなる」との問題意識を示した。

 常任委員会では今年後半の活動計画としてサーキュラーエコノミーへの対応を強める。欧州で進むエコデザイン規則などに対し、繊産連の環境安全問題委員会に「デジタル製品パスポート検討分科会」を設置、情報収集や対応策検討を進める。また取引適正化への対応として「自主行動計画」の改定も行う。



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