ニューヨーク(NY)のジャパンソサエティーギャラリーで、「リ・ファッショニング:CFGNY&ワタル・トミナガ」展が始まった。同ギャラリーが現代ファッションをテーマとした展覧会をするのは初めてで、富永航のニューヨークの展覧会もこれが初めて。両者は、従来のさまざまな境界線や既成概念を超えた表現をしている点で共通すると評価された。会期は来年2月19日まで。
CFGNY(コンセプト・フォーリン・ガーメント・ニューヨーク)は、在ニューヨークのアジア人を中心としたアーティスト集団で、「ファッションは関係を構築するもので、服飾によって新たな形の人間関係を築くことが可能」という考え方から作品作りをしている。今展覧会ではダイニングルームを想定した環境を作り、日常生活で見つけた雑多な物体の鋳造によって制作した陶製の彫刻と、脱いだ服を段ボール箱でつくった椅子にかけている風の演出を見せた。
ワタル・トミナガは服とヘッドピース、ニードルパンチで作ったテキスタイル、2色のワイヤを絡めて作った物干しあるいは柵のようなオブジェを展示した。富永航は、「ファッションもアートもクリエーションのレベルとシステムの違いで商品と作品に分けられる。その境界線をオーバーラップした作品を作りたい」と語った。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)