J・フロントリテイリングのトップ交代 不動産を軸に新たな成長戦略

2020/04/14 06:30 更新


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5月28日付で社長に就任する好本氏(左)、社長を退任して取締役兼取締役議長に就く山本氏

 J・フロントリテイリングのトップ交代は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う大きな環境変化に対して経営体制を刷新し、グループ経営の強化、企業価値の向上を目指すのが狙いだ。従来の百貨店ビジネスモデルから不動産を軸とした事業領域の拡大をさらに加速させる。

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 山本良一社長は現中期経営計画で掲げた成長戦略のうち、17年4月にギンザシックス、同年11月に上野フロンティアタワーが新規開業したのに続き、19年9月の大丸心斎橋店本館、同年11月の渋谷パルコの大型再開発が計画通り遂行したのに加えて、パルコの完全子会社化に一定のめどがついたことを退任の理由にあげた。「百貨店と不動産を中核事業としたマルチサービスリテーラー戦略を推進する足場固めができた」とグループ経営の進化を強調した。

 一方で、21年度を最終年度とするグループ中計は、新型コロナによる想定以上の経営環境の変化に直面したことで、進行中の中計を20年度で終了し、21年度からスタートする新たな中計を策定することになった。新社長となる好本達也氏は「従来の中計の行動指針、戦略に大きな変化はない。グループの強みを生かし、消費や働き方の変化に対応したアフターコロナ、アフターデジタルの方向性を示していく」という。そのカギとなるのが完全子会社化したパルコだ。グループ営業利益の4割を占める不動産事業をさらに拡大するとともに、不動産ノウハウを活用した新百貨店ビジネスモデルを進化させる。百貨店の独自性、強みの商品領域と定借化を組み合わせた新たな事業モデルの確立を目指す。すでにパルコとの人材交流を進めており、定借化の手法だけでなく、コトや体験型の店作りのひな型を既存の百貨店に導入していく。

 好本氏のほか、大丸松坂屋社長に就任する澤田太郎氏、パルコの牧山浩三社長の3人による新経営体制は当面、投資抑制や既存業務の見直しなど守りを固め、攻めの準備に力を注ぐ考えだ。新型コロナ終息まで長期戦が予想される逆風の中での厳しい船出となる。


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