イトキンが日比谷で初の体験型ショップ 高齢層の会員獲得・購入支援

2024/08/21 11:15 更新


2年目の社員がアイデアを出し、中心となって運営にあたる(左から小髙明莉さん、矢部瑞季さん、池田沙彌さん)

 イトキンは8月28日~9月16日、自社の11ブランドを集めた初の体験型ショップ「イトキン・ショールーム」を日比谷シャンテ1階のイベントスペースで開く。年齢層が高いブランドが多いため、実店舗での接客を通じて会員化を促すとともに、ECでの購入体験を支援する。

 同社の24年1月期のEC化率は約17%。順調に成長はしてきたものの、ここに来て会員数の伸びが鈍化していた。会員になっても実際の利用には至らないケースもまだ多いという。今回の期間限定店では、タブレットなどを使い、実際に活用してもらえるようスタッフがアシストする。

 スペースは約23平方メートルとコンパクトなため、「ホコモモラ」「アー・ヴェ・ヴェ」など11ブランドを数日おきに入れ替える。店頭では販売していないブランドをタブレットで紹介したり、パーソナルカラー診断も実施する。ショールーム運営のアイデア出しをしたのは、昨年入社した2年目の3人。運営責任者が伴走し、形にした。

 会期中は各ブランドの優秀販売員やウェブ接客で人気の販売員も応援に入り、商品説明や会員化の促進、ECでの購入をサポートする。「会員になっても、初めての購入はハードルが高い。若い3人が中心となってECでのお買い物の手伝いが出来れば」(同社)という。

 初の試みを経た上で、地方などでも開設したい考え。百貨店や商業施設の空床を利用し、施設側の売り上げにもなる仕組みを検討している。地方では百貨店の閉店が目立ち、テナントの売り上げが億単位で無くなるケースもある。顧客をつなぎとめるために店舗以外の購入チャネルの利用促進は急務で、同社の取り組みもその一環といえる。

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