伊藤忠繊維貿易中国 「バイオデックス」を独占販売 環境配慮でコスト競争力

2021/10/25 06:28 更新


華灝化学の藤冠強董事局首席(右から2人目)と伊藤忠繊維貿易中国の三村剛董事長(右から3人目)

 【上海支局】伊藤忠繊維貿易中国は10月22日、化学メーカーの華灝(ファハオ)化学が開発したパーム由来のPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)原料から作る繊維「バイオデックス」(BIODEX)の世界独占販売契約を結んだ。アパレル、生活用品・インテリア、車資材向けに、早ければ22年秋冬から販売する。

 バイオデックスはヤシ植物を発酵させて抽出したPTTが原料の糸。世界的にサステイナブル(持続可能な)素材へのニーズがさらに高まるため、現在流通するPTT繊維よりコスト競争力のある素材を提供し、市場規模が大きいPBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維の代替としても期待する。

 特性は、植物由来の環境配慮と、ストレッチ性や弾力性の高さ。アパレルではカジュアルやスポーツ、アウターなど幅広い。製品の流通は、早くて来秋冬物になる予定。伊藤忠繊維貿易中国では早期に年間1万トンのチップ消化を目指す。

 華灝化学は16年、シンガポールで設立。PTT開発でデュポンの協力や、帝人からライセンスも得ている。原料生産では、二酸化炭素の排出を約60%減、電力エネルギー使用も30%削減できるという。PTT原料製造の大型工場をシンガポールに建設中で、本格稼働は22年後半の予定。本生産前に伊藤忠繊維貿易中国とともに糸ブランドとして市場に定着させる。

「バイオデックス」使いのウェア

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