イッセイミヤケ バルコスへの仮処分申し立てで和解

2020/08/31 14:45 更新


 イッセイミヤケは8月31日、バッグメーカーのバルコスに対し不正競争防止法違反などを理由として、19年6月13日に東京地方裁判所に申し立てていた仮処分命令申し立てについて、バルコスとの間で裁判上の和解が成立し、係争が終了したと明らかにした。

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 イッセイミヤケが求めていたのは、バルコスの「ハナアフ」ブランドの3種のシリーズの商品の製造・販売・輸出などの差し止め(その後、1種追加)。イッセイミヤケの「バオバオ・イッセイミヤケ」の商品の特徴である、荷物を入れるとタイルのようなピースが境界部分で折れ曲がり、外観が立体的に変形するデザインをバルコスの商品が備えており、類似していると疑義を持ったため。バルコスと協議したが、解決の見込みがなくなったことから申し立てていた。

 東京地裁は審理で、バルコス商品4種のうち3種について、販売などの行為が不正競争防止法に違反すると、イッセイミヤケの主張を認める判断を示した。その後、この判断を前提として両社間で和解協議を重ね、3種の商品とそれらと同一の形態の商品について、バルコスが製造・販売・輸出を中止する内容で和解が成立した。

 イッセイミヤケは、健全な競争は新しいデザインを生み出すために必要だが、インスピレーションとして許される一線を越え、ブランドの信用の毀損(きそん)にもつながるデザインは看過できないとしている。今後も独自に生み出したデザインを保護するため、必要な措置を講じていく。



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