日本HP テキスタイル向けの新型プリンター発売

2019/08/27 06:26 更新


 日本HPは、テキスタイルプリント向けの昇華プリンター「HPスティッチSプリンター」シリーズ3機種を29日に発売する。

 「HPのサーマルインクジェット技術を総合し、テキスタイル市場に参入する」(岡隆史社長執行役員)もので、バナーやのぼりなどのソフトサイネージ、カーテンやソファなどの室内装飾、スポーツウェア、ファッション・アパレルの分野での昇華転写プリントが抱える課題を解決する機能を日本市場に提供する。「ニーズをとらえ顧客企業とともに市場をつくっていく」構えだ。

(監物敏充)

 スティッチSシリーズは、分光測定器を内蔵しリピート生産でもカラー調整の手間をかけずに一貫した色をプリントできる。カラープロファイルの作成、クラウド上のライブラリーへの登録・入手も簡単で、複数台数の運用も容易だ。

 手間をかけずに高画質を維持できることも特徴だ。プリントヘッド交換はユーザー自身で簡単にでき、自動で色合わせするため、20分で済む。プリントヘッドの自動メンテナンスキットで人手による日々の手入れも不用になった。

 運用の安定性を高める様々な仕組みは、コスト削減と業務効率化を可能にする。ヘッドとメディアの間に温風を送り水分を飛ばすことで、従来より薄い転写紙を利用でき、コスト削減につながる。紙送りの自動補正やノズル詰まりを自動検知し、これを補完する仕組みは無駄な印刷を削減する。

 発売する3機種はエントリーモデル「S300」(1.6メートル幅、時間当たり印刷最大62平方メートル)、より大量の生産向けの「S500」(同、110平方メートル)、中規模以上のプリント事業者向けの「S1000」(3.2メートル幅、350平方メートル)。価格はS300が248万円から、S500は358万円から、S1000はオープン価格。

「スティッチS500」とこれを使ったドレス着用のモデルと岡社長(右)


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