《事業承継》堀田カーペット　町工場の企業ブランディング　カーペット文化の復権目指す

ウールラグの自社ブランド「コート」

　ホームページへの問い合わせは年に1回あるかないか。そこから、1000件の依頼が来るまでに知名度を上げた企業がある。カーペット産地、大阪府和泉市にある堀田カーペットだ。3代目の堀田将矢社長が一般消費者に向けて発信を始め、企業ブランディングが実った。価格競争に左右されず、意欲的な人材が集まる好循環が生まれている。

（金谷早紀子）

カーペットの「ボウモア」へ

　創業は62年。生産するのはウールカーペットで、ウィルトン織機という産業革命時代の英国で生まれた織機に特徴がある。インテリア企業のOEM（相手先ブランドによる生産）やホテル向けが中心だったが、価格競争でOEMが衰退。2代目の父が敷き込みカーペットの自社ブランド「ウールフローリング」を立ち上げ、在庫リスクを負って価格決定権を持ち、ハウスメーカーに販路を開拓した。