イオンモール広島府中 増床後、来店客が30%増

2017/08/24 04:27 更新


 昨年11月に増床して中四国最大級のSCとなったイオンモール広島府中(広島県府中町)。増床オープン後、客数が約30%増ペースで推移している。年間来店客数は増床前の1500万人から増床後は1800万人を目標としており、その目標に、「ほぼ近い数字」(山口央二ゼネラルマネージャー)となっている。今後も新施設の認知度を高め、顧客の回遊性向上に力を入れる。

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 同SCは約2万平方メートルの増床棟を建設し、新たに80店を導入、総賃貸面積は9万8000平方メートルとなった。同時に、既存棟でも112店を刷新し、施設全体の280店の75%に相当する210店を新装した。

 増床オープン後、3階の3分の2を占めるキッズゾーンの出足が良く、子供連れの来店が目立っている。「既存施設は商圏人口に比べて、キッズ・ベビーの扱いが少なかった」こともあり、イオンリテールのベビー・キッズの大型専門店「キッズリパブリック」をはじめ、フードパーク、遊び場を複合した売り場作りの成果が出ている。

 2階の若年層向けファッションも好調で、クレジットカードの利用も、20代の利用率が数ポイント上昇している。新規テナントでは特に「ウィゴー」「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」の出足が良く、やや不足していたメンズの店舗を充実した効果も現れている。当初は30~40代ファミリー層を主体としていたが、開業から13年が経過し、顧客の世代も上昇してきたため、増床で若返りを図った。既存テナントでも「ユニクロ」「無印良品」「ザラ」といった大型店は順調に伸ばしている。

 核店舗のGMS(総合小売業)も専門性の高い商品とサービスを提供する広島県初の「イオンスタイル広島府中」に改装した。2階はモール部分との違和感がないように衣料品売り場のファッション感度を高めた。

 来店範囲は車で20~30分圏からが半年ほどで倍増した。東は三原市、西は廿日市までとさらに広域化した。4月末には近隣に新型SC「レクト」が開業した。当初はテレビCMなどもあり、来店客数にやや影響が出たが、「6月下旬のバーゲン開始から客数が戻ってきた」という。

 今後は全館での「顧客の回遊性向上」に重点を置き、施設内の表示の手直しを進めている。昨年は大ヒット映画による集客や「カープ優勝セール」もあったため、9月以降の動向を注視している。イオンモールは広島市西部で18年に新型SC「西風新都プロジェクト」を計画しており、既存施設の広島祇園は小商圏型、広島府中は広域型と位置づけを明確にする方針だ。

敷地南側に増床棟を新設したイオンモール広島府中


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