仏ジュエラーがパリ・ヴァンドーム広場で新作ハイジュエリーコレクションを発表した。メゾンを象徴するモチーフやカラーコーディネートを独自のビジョンで表現するディレクターと、サヴォワールフェールを前進させマスターピースに挑むアトリエ。この2者の呼吸が作り出す、美しい鼓動が響くシーズンとなった。
(パリ=松井孝予通信員)
■ブシュロン
「ブシュロン」はクリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌが3年前に見つけたアーカイブ、アール・デコスタイルのダブルクリップブローチに着想した「ライク・ア・クィーン」コレクションを披露した。アクアマリンとダイヤモンドのそのブローチには物語がある。英国のケント公爵が1937年にブシュロンで購入したもので、後に18歳を迎えた姪のエリザベス王女に贈られる。そしてエリザベス二世は王女在位中、重要な公式の場で幾度となくそのブローチを身につけていた。「何か思いに取りつかれたように、再びこのブローチを現代によみがえらせたかった」とショワンヌ。
「ヒプノティックブルー」カフスブレスレットは、カボションカットとバゲットカットのアクアマリンをダイヤモンドとブルーラッカーのラインで、モチーフとなったアール・デコのデザインをモダンに引き出した。
マルチウェアジュエリーや鮮やかなポップカラーによるジェンダーレスなスタイルもメゾンの特徴だ。ホワイトゴールドに1000石超のダイヤモンドとロッククリスタルをセットした「フロスティホワイト」ネックレスは、モチーフをブローチにしたりと6通りに変化する。