阪急うめだ本店のベビー・子供服は、21年度(22年3月期)の売上高が前年比2%増だった。ラグジュアリーブランドが大きく伸びたほか、ベビーが安定した売り上げを維持した。一方、マタニティーの落ち込みが大きく、子供服もフロア平均を割った。
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ラグジュアリーは14%増で、好調ブランドは「ベビーディオール」「モンクレールアンファン」など、「分かりやすいブランドが売れる大人の傾向と同様」だった。マタニティーは出生数の落ち込みに加え、コロナ禍で来店を敬遠する傾向が見られた。
リモートショッピングサービス「リモオーダー」の売り上げは全体の約2%で、全カテゴリーの中でもシェアが高く、顧客との親和性が高い。また、20代社員を中心にOMO(オンラインとオフラインの融合)チームを組織し、子供服デザイナーによるインスタライブなどの発信を強化したほか、オンラインでハーフバースデー会を実施するなど、デジタルを活用したコミュニティー作りに手応えを得ている。
今期は来期に向けた足場作りとして、様々なイベントで需要を探りながら、今後の軸を作る年とする。具体的には、これまでは「うめはんママ」をターゲットにMDを組んでいたが、スモールマスを捉えるために細分化し、対象の幅を広げる。例えば、ベビーギフトは若い男性グループの購買が増えるなどの傾向があり、様々な年代や層に合わせた提案に変えていく。また、レストランでのパティシエ体験やミュージアム「ニフレル」への遠足など、フロア外、店外のコト企画や、婦人服や紳士服、食品フロアとの部門間連携で館としてファミリー層への訴求に取り組む。