H&M上期 2割強の減収、赤字に 下期はデジタル戦略加速

2020/07/01 06:27 更新


 H&Mの上期(19年12月~20年5月)業績は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて2割強の減収となり、営業損益、税引き後損益が赤字となった。売上高は836億1200万クローナで前年同期比22.9%減、営業損益は34億9800万クローナの赤字(前年同期は69億4000万クローナの黒字)、税引き後損益は30億6300万クローナの赤字(53億7200万 クローナ の黒字)だった。これまで出店拡大を続けてきたが、20年度は総店舗数が40店減少する見通しだ。

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 第1四半期は増収を維持したが、第2四半期(3~5月)は最大で世界中の店舗の8割が休業し、営業を継続した店舗のあった国でも需要が大きく落ち込み、5割減収となった。主要市場ごとに見ても、売上高上位の10カ国が軒並み減収となり、とりわけ、感染者数の多かった米国、イタリア、スペインの減収幅が3割強と大きい。日本も24%の減収だった。

 第3四半期も全店の7%に相当する350店が休業中で、営業を再開した市場でも時短営業を強いられる状況が続いており、6月1~24日の売上高が25%減収となっている。ただ、第2四半期にECは36%増収で、今後も伸びると見ている。

 このため、下期以降はリアルとデジタルの融合を前提としたデジタル戦略を加速する一方、サプライチェーンと組織の改革も進める。投資戦略を下支えする目的で債券発行など資金調達手段の多様化にも取り組む。これまで一定数の出店を維持し、全世界での店舗数を増やしてきたが、今期は感染拡大に伴い、当初計画通りの出店ができず、閉店170に対し、出店は130にとどまる見通しだ。

(柏木均之)



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