愛知県刈谷市に17年にオープンしたハクロは、百貨店出身の鈴木雄大代表が夫婦で営む。経験を生かした上質な接客を強みに、ファッションに悩む地元の30~40代をつかみ、街の服屋として親しまれている。
雄大さんは百貨店社員を経て、結婚を機に自動車部品商社に転職。業界の気質の違いからファッション業界に戻り「地元・刈谷をおしゃれにしたい」と、百貨店で販売員経験のある妻・直実さんと店を始めた。意識したのは「逆張りと掛け合わせ」。名古屋まで快速で20分ほどで、服屋が根付きにくいとされる刈谷市内に、あえて出店したこともその一つ。立地の意外性が認知につながったほか、遠方の買い物が大変な子育て世帯など「始めて見るとニーズがあった」。
中価格帯の商品を百貨店レベルの接客で販売するのも特徴。扱うのは「アンヌーク」「クレドナ」「ヘリンドットサイ」など30ブランド。商品単価は低いが、編集力、接客力を強みに、セット率を高めている。
23年には2号店「ポルネ」を出店した。人気ブランド「トゥデイフル」を軸とし、親和性の高いブランドを集積。若い層を中心に県外からファンをつかみ好調で、今年7月には東刈谷駅前すぐに移転予定だ。売り場面積は1.8倍。立地の利便性向上、商品に奥行きを持たせ、顧客満足につなげる。周辺のカフェと連携し「街を盛り上げたい」とする。