ユニークな形状のソールが特徴の「グラウンズ」 販売好調を受け、原宿に直営店をオープン

2023/08/31 06:29 更新


木造一軒家を改装した直営店

 フールズ(東京、金丸拓矢社長)が運営するフットウェア「グラウンズ」が、大きく成長している。デザイナーの坂部三樹郎氏が監修・デザインするユニークな形状のソールを特徴に19年夏に販売を始めた。自社ECと卸売りでコロナ下も順調に伸ばし、「10億円が見える」売り上げ規模になった。9月2日、東京・原宿エリアに初の路面直営店を開設する。

 グラウンズは「人間と重力(地球)の関係に変化をもたらす」をコンセプトに開発。ジュエリーのような透明の球体が連続したエアソールなど、インパクトのあるフォルムと独特の履き心地の良さを両立している。

 海外市場でも実績を上げてきた。海外売上高比率は20%。自社ECは当初から越境対応しており、現状の卸売先は国内50店、海外100店近くになる。強みは、坂部氏の徹底したデザイン設計と、高度な技術を持った中国、インドネシアの協力工場との二人三脚の物作り。

 主にTPU(熱可塑=かそ=性ポリウレタン)を材料にしたソールを使い、成型ニットや異素材を組み合わせたアッパーを融合し、価格帯は3万円台前半から5万円台。その付加価値が支持され、コンスタントに売れ続け、商品によっては発売直後に売り切れる。自社EC、卸売り先ともに、セールをしない方針で販売し、ECは試し履きのサービスも行う。

 直営店は、渋谷区神宮前5丁目の路地に面した70年代の木造一軒家を改装した。内装デザインはダイケイミルズ。コンセプトを体現するように、メインの部屋は床を外し、鉄格子のグレーチングをはめて縁の下が透けて見えるようにした。天井も大胆にカットアウトし、2階の倉庫がのぞく。一方で、台所は昭和の雰囲気をそのまま残し、テクノロジーを感じさせるシューズを並べ、混沌とした雰囲気で見せた。原則として、営業時間は正午~午後7時、週休2日で運営する。

昭和の雰囲気をそのまま残した台所の壁面
風呂場はインスタレーション的に見せた

 BtoC(企業対消費者取引)のECでスタートしたが、今後は主要都市に出店していく方向だ。「直営店での、体験を伴う買い物はブランドビジネスに大事な要素」と見ている。

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