EC・アパレル倉庫に最適な自動搬送ロボ

2016/11/16 06:58 更新


 GROUND(グラウンド、東京)が販売する物流センター向け自動搬送ロボット「バトラー」システムは、アパレル業界やECのように1点ごとのピッキングに適している。17年前半にも国内初ユーザーとなるアパレルECのセンターで稼働する。アパレルをはじめ引き合いも多い。

 インドで開発されたバトラーシステムは、自動搬送ロボット、バトラー(97×67×38㌢、最大積載荷重500㌔程度)と専用移動棚、棚入・ピッキング作業ステーション、バトラーをコントロールするウェアハウス・コントロール・システム(WCS)、バトラーの自動充電器からなる。移動棚はハンガータイプもあり、カスタマイズもできる。

 作業者はステーションで棚入・ピッキング・棚卸全てを作業し、バトラーが指定された移動棚の下に入って持ち上げ、ステーションまで運び、作業が済めば元の場所に自動で移動する。バトラーは、あらかじめ床に貼られた2次元コードをカメラで認識しその上だけを移動する。

 人が移動し作業する一般の物流センターに比べ作業時間は5分の1以下、人の移動通路がいらないため保管効率は15%程度向上するという。

 最小ユニットで、バトラー10~14台、移動棚300台、ステーション2台、充電器2台。価格は初期工事含め1億円程度。これで約1000平方㍍規模だが、バトラーは1台ずつでも増やせる。2次元コードが貼れる程度の床の滑らかさと棚の高さ(2・4㍍)の天井高があれば倉庫を選ばない。拡張や既存施設への導入も容易だ。この柔軟性が特徴となっている。

 導入前には、在庫アイテム数や入出荷量などから、独自のシミュレーションソフトが最適のバトラー・棚・ステーション数を検証する。稼働後もAI(人工知能)によって一つの棚からより多く取れるよう、よく出る商品は棚の真ん中に、よく出る棚は前の方に自動配置する。

 システムの点検・保守は同社に出資する岡村製作所の全国の拠点も担当する。同社が扱う「オートストア」と組み合わせた提案も行う。

手前の箱状の2台がバトラー、後方右に専用の移動棚



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